第4回ジ・ウクレレコンテスト 入賞 ・トップページ


11月23日(平成19年)は浅草の「ミレニアムホール」で、2年に一回開催される「第4回ジ・ウクレレコンテスト」が行われました。

このコンテストは国内で唯一開催されるもので、さらに今回から30もの団体・組織からの後援・協賛があり、国内外からも多くの注目を集めました。

今回このコンテストの出場には第一次テープ審査が8月末にありました。
全国から50組近い腕に覚えのあるウクレレ奏者の応募者があり、その中からわずか16組だけが選ばれて本選を行うという、かなりの狭き門のようでした。

この本選には、オーク音楽教室の生徒さん5名と私で結成された6名による「オークウクレレ隊」が、ラベル作曲の「ボレロ」で第一次テープ審査を無事通過して出場が決まったのです。

一昨年もやはり「オークウクレレ隊」として総勢20名のウクレレとギターのアンサンブルで「ワルツピカピカ」を本選で演奏しましたので、2回連続の快挙です。
そして、今回は嬉しい事に目標だった「審査員特別賞」を受賞しました。
全国から選抜された16組の中から、さらに4組だけが入賞という激戦で、正に快挙です。

5月の連休明けから練習を始め、幾度となくアレンジも書き換えながら「ボレロ隊員」も素晴らしい頑張りを見せてくれたと思います。以下、コンテストの報告と感想です。(長々とスイマセン)

《コンテスト当日》

「オーク・ウクレレ隊」は朝9時に会場入りして、軽く指鳴らしです。
でも、続々と出演者控え室に来るプレイヤーがあちこちで“指鳴らし”をしていましたが、その演奏力の素晴らしさに 隊員全員が圧倒されて一気に緊張が走りました。

今回の16組の演奏はソロが11人、ウクレレ伴奏付きの歌のユニットが3組、デュオ・アンサンブルが2組という顔ぶれでした 。
(曲目はオリジナルが5曲、クラシックが3曲、ポップス系8曲)

さて、第一部の演奏8組の演奏を聴きましたが、一昨年のコンテストよりは遥かにレベルが上がっていて、その演奏力には圧倒されました。
CDを出している奏者も数名いるし、又すでに活躍しているプレイヤーの方も多くいらっしゃったようです。
アマチュアの「コンテスト」というより、プロミュージシャンの「ジョイントコンサート」に思えるほどで、個性的な演奏ばかりでとても楽しく充実した内容でした。


第一部を聞いた我が “隊員” は口々に「私達、何だか場違いな所に来ちゃったみたい」と不安がっていま した。
その筈です、このコンテストは音楽教室の“生徒さん”レベルでは確かになかったからです。

でも、人が音楽に感動するのは演奏技術だけではない筈です。
自分達の持っている技術で、綺麗で豊かな音、メロディの歌い方、フレージング、音色、ピアノ、フォルテ、クレッシェンド、など様々な表現要素が一番 重要だからです。

そんな事を考えながら第二部が始まりました。
第二部トップの演奏が我がオークウクレレ隊の「ボレロ」です。(写真は本番数分前)
本番での演奏は全員多少の緊張はあったものの普段どおりの演奏ができたと思い、十分満足できました。
ギター文化館の「フリーコンサート」や「発表会」での演奏経験が既に数回ありましたので、そのステージ経験が生きたと思います。
ただ自分達の演奏が観客や審査員の方々にどのように聞こえたかは不安でしたが…。

そして、16組全ての演奏が終了していよいよ4つの賞の審査結果発表です。
舞台裏の楽屋には出演者全員がいて、舞台を映し出されているテレビをじっと見守っていました。その頃になると出演者同士も打ち解けてなごやかな雰囲気でした。

《嬉しい入賞》
このコンテストには「大賞」「審査員特別賞」「テクニック賞」「パフォーマンス賞」の4つの賞が用意されていましたが、全ての演奏者がどの賞を取っても不思議ではないほどの演奏だったと思います。しかも、全国から選ばれた16組の中からさらに4組が選ばれるのですから、とても大変に名誉あることです。

初めは「パフォーマンス賞」の発表…、と賞が次々に発表される度に楽屋では出演者全員から拍手喝采で盛り上がっていました。
そして、いよいよ「審査員特別賞」の発表です。
とうとうやりました。「審査員特別賞」は我が「オークウクレレ隊」だったのです。隊員全員が一瞬興奮し、慌てて舞台に出ていきました。(これは今年一番の感激シーンだったかも知れない)

私が代表して賞状と記念品のウクレレ(写真)を世界的なプレイヤーのダニエル・ホーさんから頂きましたが、ちょっと感激です。(握手して貰い、サインまで頂きました)


《受賞者》
「大賞」を受賞した「Daisyどぶゆき&てっこ」さんはお二人のユニットで、チェロとウクレレの伴奏でオリジナル曲「流星群の夜」を歌いました。素晴らしい男性らしい歌声とチェロとウクレレの響きが素晴らしかったです。それと、時折流れる効果音が曲に彩りを添えました。

「パフォーマンス賞」にはやはり太鼓とウクレレを伴奏にしたオリジナル曲「ナミダノワケヲ」を歌った「ハッピー★ホッピ−」でした。覚え易く親しみのある歌で、綺麗な歌声とウクレレの柔らかい響きがとても似合っていたと思います。

「テクニック賞」はウクレレ・ソロの「キャス」さんでしたが、圧倒的な技術力と表現力には全く脱帽でしす。高知から来た甲斐があったですね。正にウクレレトッププレイヤーでした。

同じ「審査員特別賞」はウクレレソロを弾かれた「gensblue」さんでしたが、どのように弾いているのかも分からないほどのテクニックと素晴らしい音楽表現でした。

《審査基準》
当初、「ウクレレのコンテストだから、大賞とテクニック賞は絶対にウクレレソロ、パフォーマンス賞はウクレレソロの電飾さん、審査員特別賞は歌のユニットか私達…」と勝手に想像してしていました。
このコンテストで審査員の先生方がどのような基準で賞を選ぶのかが、実は一番興味がありました。

何故なら本選に出場した16組には、ウクレレソロ、歌とウクレレ伴奏(タイコ、チェロも)、ウクレレとギターデュオ、そしてウクレレアンサンブルなど様々なタイプの演奏者が揃い、さらに演奏曲もオリジナル曲を含めてジャンルが多岐に渡っていたからです。
共通するのは “ウクレレを伴った演奏” だけです。

そして、演奏評価のもっと極端な別の言い方をするならば、人を圧倒するような「ウクレレテクニック」なのか、 それとも「音楽性の表現」なのか?

入賞者の顔ぶれと演奏を聞いて十分に納得できることがありました。
それは、このコンテストの「賞の選定基準」は、ウクレレを伴った「音楽表現」にあったようでした。

それもプロのウクレレプレイヤーの真似ではなく、オリジナルティのある個性豊かな演奏を評価していたと思いました。

《ウクレレアンサンブル》
今回の演奏曲“ボレロ”は、「ウクレレアンサンブルでクラシック音楽」を表現したいとアレンジしてみました。
「ウクレレアンサンブル」という演奏形態は“コンテスト”という舞台では異質なものだろうと思っていましたが、認められたことがとても嬉しいです。

ウクレレはとても自由な楽器です。
歌の伴奏に、ソロに、他楽器とのセッション、そしてウクレレ同士のデュオやアンサンブルなど…。その中で最も未開の分野が「デュオやアンサンブル」かと思います。

書店に行っても「ウクレレ伴奏」と「ウクレレソロ」は最近かなり見受けられますが、まだ「ウクレレデュオやアンサンブル」の書籍は全く見当たらないのが現状です。
これからも仲間同士で楽しめる曲を多く書きたいと思っています。

《終わりに》
コンテスト会場に来ていただいた30人もの知人・生徒さんと、そしてオークウクレレ隊員と一緒に喜びを共にできた事に感謝です。ありがとうございました。

当日「ジ・ウクレレコンテスト」の関係者の皆さんありがとうございました。
とてもスムーズな進行で、安心して楽しく演奏に望むことができました。 

                             記 / オークウクレレ隊 隊長 工藤信幸 (平成19年11月25日)   
                  *写真は一部「ジ・ウクレレコンテスト実行委員会」さんより借用しました。